幸せの呪文

もう梅雨が明けた。
報道では、異常な熱波などと騒いでいる。
しかし、天草で暮らす私には、そんなことは無縁である。
まず、午前は五足のくつにいるので、木陰に吹くそよ風が涼しい。
とても快適で、クーラーも不要だし、汗もかかない。
誰にも邪魔されず読書に励んでいる。
生い茂った樹木の陰から覗く真っ青な空と藍色の海は目が覚めるような輝きだ。
東シナ海に沈む夕日はここ一週間ほど毎日美しい。
夜になると、私は散歩を楽しんでいる。空一面に散りばめられた無数の星を見上げながら、物思いに耽っていた少年のころの自分と今の私が、まったく変わっていないことに気づき、人間の成長などというのは錯覚に過ぎなかったのだとほくそ笑む。
なにかに成ろうとする必要はなかったのだ。

ところで、今日令和4年7月1日、五足のくつは、20周年を迎えた。
ひとり静かに苔むす石畳を歩きながら喜びに浸った。心は満ち足りている。

「天草に生まれてよかった」何度か小さく呟いた。
この言葉を唱えていたら、この土地に出会った。
「天草に生まれてよかった」
この言葉を唱えていたら、五足のくつをつくることができた。
「天草に生まれてよかった」
創業間もないころ、いつもこの言葉を唱えながら木を植え、
その成長を祈り、一日でも早く深い森になることを願った。
「天草に生まれてよかった」
これからも私は、念仏のようにこの言葉を唱え続け、
石山の森と、五足のくつの海を歓び眺めながら果ててゆくのだろう。

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おかげ様で20周年を迎えることができました。
誠にありがとうございます。
どうぞ今後とも何卒よろしくお願いいたします。

そして、周年ごとに「熊本日日新聞」に一面カラーの広告を出す

これが創業時の目標でした。20周年となる本日、広告を出すことができました。

重ねて感謝申し上げます。ありがとうございます。

 

石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑博文

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