山口祐司氏への追悼文1

あれはたしか昨年の11月だったと記憶しているので、
すでに半年以上が経過したことになる。
作家の山口由美さんから突然、電話があった。

「父の山口祐司が先日亡くなりました。
つきましては、追悼文集をつくろうと思うのですが、
書いていただけませんか」

一瞬、私の耳は今、誰から何の用件を聞いているのかわからなくなっていた。
あまりに私にとって現実感が乏しい話を聞いていたからであろう。

山口祐司氏といえば、早稲田大学商学部を卒業後、
コーネル大学で世界最新のホテル経営学を学ばれた
日本屈指のホテリエであり、
富士屋ホテルチェーンの総支配人を務められた方である。
もちろん私は、直接お話をさせていただいたことはなく、
ホテル業界の見本市などの分科会の教室で、
その難解なお話をされる御姿を何度か拝見した程度なのである。

そんな私に、なぜお嬢様の山口由美さんは
追悼文寄稿の依頼をされるのだろう。
疑問に思っていると、山口由美さんは続けて、
「もちろん、錚々たる顔ぶれの方々にもお願いしてあります。
ただ、山崎さんには父が言っていたという
例の増価主義のことについて書いていただきたくて」

なるほど、合点がいった。
そして、「承知いたしました」と答えて、電話を切ると、
その瞬間から追悼文をどう書こうか、格闘が始まった。
何度も何度も推敲を繰り返した。
これほどの力を集中して文章を書いたことは初めてだった。

そして、今年の2月5日、
私は東京の帝国ホテルで行われた「お別れの会」へ参列させていただき、
参列者にだけ配布された、その追悼文集を大事に携えて天草に帰った。

それは、私の家の家宝となった。
これまで旅館業に勤しんできてよかったとも思った。

熊本県・天草市・下田温泉の旅館「五足のくつ」は、九州・熊本の雲仙天草国立公園にある、全室源泉かけ流し天然温泉の露天風呂付き離れの宿です。生ウニや伊勢エビやアワビなど、旬の地魚を使った懐石料理や天草産の天草大王・天草黒牛が人気。白秋らの紀行文「五足の靴」が名前の由来。

7月〜8月中旬までは「とろける生ウニまつり」開催! ⇒⇒

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です