ムーンライト

天草第一映劇に入ろうとしたら、
入口にアルプスの少女ハイジの大きなポスターが貼ってあった。

柿久支配人が、「出演者はすべてヨーロッパ人ですが、
ストーリーは日本でお馴染みのあれですので、
天草の子どもたちにも喜んでもらえるだろうと思って、
今年の年末正月興行は、これに決めました」と言う。

「それは、映画好きの天草の子どもたちが押し寄せてくるかもしれませんね」
などと言いながら、私の心には、ある小学生時代の思い出が蘇って来ていた。

小学校4,5,6年の担任をしていただいた黒田先生は、
大学を出られたばかりで、とても厳しい先生だった。
6年生の卒業間近の頃だったと思う。

その黒田先生が
「最近読んだ本で面白かったと言えるものがある人、
手を上げてください」と言われたので、
私は「はいっ」と手を上げ、
「アルプスの少女ハイジです」と答えたら、クラス中の子どもたちがどっと笑った。

その光景を見て、
先生が皆に言われたことを40年以上経った今でも鮮明に覚えている。

「いいか、弓を思いっきり引っ張って、
大勢で両極に分かれてもっともっと引っ張っていったらどうなるか。
いつか、この弓はひっち切れてしまうだろう。
それと同じで、人も緊張のなかだけで生きていたら
いつかダメになるかもしれない。
だから、本や、音楽でその緊張を解いてあげなければいけない。
博文にはアルプスの少女は似合わないように見えるかもしれないけれども
自分のなかの意外な、それは優しさかもしれないし、
哀れみの心かもしれないけれども、
ふだん男として生きていて気づかない、自分のなかの意外な部分を、
この本を読むことで気付いたかもしれない。
それを先生は言いたい」

第一映劇の劇場内では、すでに次回上映の宣伝が終わり、
「ムーンライト」が始まろうとしていた。

私は、前情報は全くなしで、この映画を観た。
ナイーブな、あまりにナイーブなストーリーと、
暴力との対比が鑑賞中の緊張感を抱かせ、眠気を寄せつけない。
外見は、筋骨隆々の黒人青年の内面の優しさと脆さを感じさせるストーリー展開が
私の想像をすでに超えている。

「アメリカって国は、やっぱりすごかばい。
こがん映画ははじめて観た」

 

 

 

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